DAY BY DAY

fujitart.exblog.jp
ブログトップ
2008年 12月 13日

メモリーは指先に


突然ですが、
脳はどこにあるのか考えたことありますか。
またお前はバカなことを言うと、笑わないでください。
脳はアタマ、頭蓋骨のなかにあるくらい
小学生でも知ってるゾ、と言われそうです。
じゃあ、記憶はどこにありますか。
記憶は脳の中だろうって?
はぁ、やっぱりそうですか。
でもね、最近思うんですよ。
記憶しているはずのものがどこにも見当たらないことが実に多い。
今読んでいる一冊前の本の内容とか、
おととい画廊であった人の名前とか、
ケータイの予備の電池を置いた場所だとか。
つまり、日常のあらゆる場面でそのような事件が多発している訳です。
「事件は現場で起こっているんだ!」

ところが、たまに学校に呼ばれて、
フォトポリマーグラヴュールの細かくも長々とした手順を教えたり、
版画工房でソフトグランドを塗布する時のウォーマーの温度と
エッチングに使用するニードルにはペンシル型のけがきを使うと良いとのアドバイスと
松やに粉末を版面に付着させるためにアルコールランプを外すタイミングと
メゾチントのためのインクの粘度をどのくらいにするとかを、
同時に教えることができるんです。
昨日食べた夕飯のおかずを忘れてしまうような私がです。
慣れない四人の方に同時にです。
あと六人いれば聖徳太子です(笑)。

っで、何が違うのかなって思った訳です。
三日前に読み終えた小説の内容を思い出せない現実と
版画工房でのアタマのさえは、同じニンゲンとは思えません。
考えました。
日が経つと忘れてしまいそうなのでその日のうちに。
わかったんです。
なんてことは無い。
手を使って覚えたことと目で覚えたことの違いです。
ですから、脳は手にあるというのが
わたくしの今日の研究発表でございます。





版画工房

Osamu FUJITA HP
[PR]

by fujita-art | 2008-12-13 19:21 | 版画 | Comments(6)
Commented by ki8na03 at 2008-12-13 21:47
研究発表のパーティをしたいくらいですね!
感覚の素晴らしさ!感じて覚えると書いて感覚。
ただ覚えるだけだと脳に届くまでに忘れてしまうのかしら?
覚えるルートが目に見えたり、触れたりしたら、たぶん違っているのでしょうね~
Commented by fujita-art at 2008-12-13 22:43
よくサスペンスドラマやギャング映画(?)の中で
アジトに拉致された主人公を縛り上げ、
「体に覚えさせてやる」なんて言って痛めつけるのも
きっとその類いなのでしょう(笑)。
Commented by rolleifan at 2008-12-15 00:03
凄く面白いお話です。
そういえば、「アタマ・ト・テ」という会社なのかブランドなのかが
有ったように思います。(本当かどうか解りませんが)
感覚に関してですが、
目と同じように手も特別な存在ですね。
手で覚えたことは忘れないとわたくしも思います。
一般的に見たことの無いものは創れないと言われていますが
手の感触や色々な感触が融合して新しい見たことの無い
新しい作品や物語を作るのではないでしょうか?
面白いお話でした。
Commented by fujita-art at 2008-12-15 20:23
rolleifan さま
「アタマ・ト・テ」そんな名前の会社、面白そうですね。
誰がアタマで誰がテか、なんて声も聞こえそうですが。
最近、手で覚えたことは本当に忘れないな、と思う場面が多い
今日この頃です。
Commented by at 2008-12-16 09:33 x
あと15年したら”テ”で覚えたことも消えていきます。
”気”をいれて覚えなおす日々が続きます。
腐食液に素手で作業し、荒れ果てた手を見て、この液”危険”と悟ったことを、何年覚えて居られるのでしょう。
Commented by fujita-art at 2008-12-16 21:18
彩さま
貴重なアドバイスありがとうございます。
でも腐食液を素手で触るのはやめましょう。
ご飯がまずくなりますから(笑)。


<< 子供たちの晴れ舞台      Andrew Wyeth そして >>