「ワイエスは二流だ」と言ったのは、高校時代の恩師でした。
1970年代、美術の世界ではポップアートやコンセプチャルアートと
時代は具象なんて誰も描いていない時代でした。
それでも1974年の国立近代美術館でのワイエス展は
美術家志望の少年にもそれなりに衝撃を与えたものでした。
その当時のワイエスの新作「薄氷」?の具象を超えた絵画の可能性に
多感な少年の心は釘付けになりました。
あれから34年、渋谷のBunkamuraでワイエスに再会してきました。
正直、34年前の衝撃はありませんでした。
作家の本領発揮のテンペラがあまりにも少ないです。
クリスティーナの世界に至ってはコピーパネルですもの(泣)。
初めて目にする80年代以降の作品は父N.C.ワイエスのイラストのようで
すこしばかり寂しくなりました。
ワイエスも80年代に話題になったヘルガのシリーズが頂点だった気がします。
今回、ヘルガシリーズ一点だけありました。
もっと見たかったなぁ。
でも、この一点で今日は満足しましょ。
それにしても、平日の朝からすごい人でした。
やっぱり一流です。ね。
ワイエスを見終わった後はすぐご近所のギャラリエアンドウへ。
友人の金子透さんの個展へ。
ストイックな画面作りに益々磨きがかかっておりました。