鉄の板と鉄のローラーの間をくぐり抜けてきた湿った用紙をめくり上げると、細い溝に落ちていたイメージの固まりがしっかりとしがみついて姿をあらわにした瞬間だった。あるいは、既に刷り上がった紙に艶かしく盛り上がったその線がモニターいっぱいに姿を現してみせた。22歳で早世した版画家、菊池伶司(1946〜68)の特集を視た。その作品の特異性はもちろんだけれど、カメラが映し出すTVの映像がとてもよかった。27日放映された「新日曜美術館」は久々に濃い内容の特集でした。
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