蔵主に完成した蔵書票を渡す。細かい注文も出さず、すべて作り手を信頼してくださり、おまかせで依頼してくださっていたので、手渡すまで正直少し不安だった。が、心から喜んでくださった様子を見て少し安心する。エディションは50。当然箱も作る。箱のひもを解くときの子供のような眼差しをみて、ほっとする。蔵書票の歴史は古く、中世のヨーロッパに始まる。本がまだまだ貴重だった時代に蔵主の証明書として作られた。今も世界中にそのマニアがいて、愛書家にはたまらないアイテムのひとつとして親しまれている。版画のもう一つの側面を発見した今回の仕事。楽しませていただく。
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