
確かにその画廊の展示スペースは決して広いとは言えない。
が、その小ささ故の緊張感がそこにはある。
お世話になっているギャラリーの中で
一番古い付き合いになるのが渋谷/松濤にある
ギャラリエ・アンドウだ。
もうかれこれ20年以上になる。
その空間は少し変わった台形型で、
ギャラリー空間自体がもう一つの作品のように、
壁だけではなく床も天井も真っ白に塗られ、シミひとつない。
一歩足を踏み入れれば重力を失ったかと錯覚し、
不思議な浮遊感を味わう。
ギャラリー展示するというのは作った作品をただ並べれば良いワケではない。
たとえ優れた作品であっても、
展示空間を意識しなければ個展は失敗する。
ギャラリーでの発表は展示即売会ではないし、
アートフェアとも違う。
そこでしか体験できない非日常空間の提供だと思う。
作家の感性と技術、ギャラリストのセンスと戦略が
観客の感情を静かに揺り動かすことができれば
幸せな時間を双方が味わえるのだ。
今日
REBORN - 再生 -
と題した個展の搬入及び展示を終えた。
作業を終え、お茶を頂きながら、今回のテーマや個々の作品について様々聞かれ、
熱心にメモを取られる。
先ず最初の理解者はギャラリーであることのしあわせ。
後はギャラリー側の様々な準備になる。
オープニングは13日(火)です。
ぜひ、お出かけください。
■写真は出品作品から、オブジェ「静けき港に」(部分)