横須賀美術館で開催中「深遠なるモノローグ」の出品作その7
「Right」フォトポリマーグラビュール、エッチング、アクワチント
2007年の作品です。
当時、樹脂版のきめ細かさやしっとり感に惹かれて作っていると
今度は銅版画にしか出来ない版の強い主張のようなものが
欲しくなって来ました。
特に、彫刻をモチーフにイメージを固めて行った
TORSOシリーズを計画した時
彫刻の皮膚感覚とイメージの重さのようなものが欲しくて
久しぶりにフォトエッチングを用いてみました。
ところが、銅版では重さのようなものは表現できるのですが
痛々しいほどのデリケートな皮膚感覚のような表現には
なかなか満足出来ませんでした。
樹脂版ではデリケートさは表現出来ましが、
今度は重さに納得が行きません。
そこで、樹脂版と銅版の併用版を思いつき
いろいろ試行錯誤を繰り返し、
技術的なことをやっとクリア出来たのでした。
この作品はどう言うワケか、作家の方々に多くの良い評価をいただきます。
タイトルの「Right」はモチーフに見える右手からでもありますが、
「正しい」とか「これでいいんだ」と言うような
自分に言い聞かせた言葉がタイトルに含まれております。
あっ、この作品は今日展示替えでした。(泣)
明日から始まる後期展示に登場するvoice、water、storyも
同じような意味合いから作られていますので
まっ、いいか(笑)。
気がつけばもう三月、美術館展示も後一ヶ月。
まだのお方はお急ぎあそばせ。ナンテネ。