横須賀美術館で開催中「深遠なるモノローグ」の出品作その5
「calling」フォトポリマーグラビュール
2004年感光性樹脂版に出会う。
この樹脂版は基本的には水と紫外線だけで製版を行います。
紫外線に当たったところは硬化し、当たらなかったところは水に溶ける。
っで、ポジフィルムを使って感光するワケです。
出来上がった版は凹版。
それまでやっていた銅版によるフォトエッチングと同じです。
違いはアッという間に出来ちゃうところです。
ありがたみが薄れるといけなので
このことはあんまり言いたくないのですが、
ホントにアッという間です。
しかし、欠点もあり、版の保存が厄介です。
あんまり長く持ちません。
ですから、エディションは少なめに、
一気に刷ってしまうほうが安心です。
まぁもっともワタクシの作品はたくさん刷るほど、
需要も無いワケでして。
ほんのちょびっとでいいんでやんす。
当時、ちょっとばかり体にハンデを抱えた時期で
腐蝕をしない版制作がどれほど助かったことか。
数あるこの頃のポリマー版の中で唯一
美術館のポストカードになった良い子です。
3月7日にこの子は展示替えされてしまいますので
まだのお方はお早めにいらして下さい。なんてネ。