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2010年 07月 15日

浜田知明


1980年、大学を出た翌年、鎌倉近美で浜田知明展を見た。
大学を出たが就職もせず、不安と焦燥の中にいたワタクシに
版画のそれも銅版画の強いメッセージ性とその美しさの再発見をさせてくれた展覧会でした。
入館料もやっとの思いだったと思うが、
当時の図録がアトリエにあるのは、相当の刺激を受けたことが伺える。
あれから30年経った昨日、葉山館で浜田知明展を見て来る。
今年92歳になられると言う、九州に住む銅版画家の仕事ぶりは
今も尚、健在で、当時はなかったブロンズ彫刻の数々と共に
非常にメッセージ性の強いもので、その作品の質の高さに感銘を受ける。
尊敬する作家、宮崎進とも共通する過酷な戦争体験が
単に口当たりの良いインテリヤ版画とは一線を画す。
必見です。

神奈川県立近代美術館 葉山
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by fujita-art | 2010-07-15 13:55 | Comments(2)
2010年 02月 05日

メダルを逃す


冬季オリンピックの始まるこの時期、
バンクーバーへ行こうと計画する人はいるでしょうが
バンクーバーからやってくる人は少ないでしょう。
そのバンクーバーからイラストレーターで銅版画家のMARIKO ANDOさんが
写真家のKIKUCHI YURIさんの案内で工房を訪ねて来てくれました。
今回大阪での個展のための来日だったそうです。
すてきなお二人とおいしいケーキを頂きながら
版画の話やギャラリーの話をあれこれと
とても楽しい午後を過ごしました。
3月の個展で密かに計画していた展示プランを本邦初公開すると
カナダでは同じ方法でみんなやっていると教えられ
「えっ?ホントですか?」
ない知恵を絞って考えついたと思ったのに
カナダ人に先を越されてしまった。
これじゃ、メダルは無理か?
またワケの分からない事を独り言。

まっ、年末はパリから松谷さんが訪ねて下さったり
今回はバンクーバーから安藤さんが
何とも国際的になって来た版画工房です。


MARIKO ANDO

YURI KIKUCHI
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by fujita-art | 2010-02-05 21:44 | Comments(2)
2009年 10月 18日

版画人


昨日は午前中、版画普及活動(銅版画クラス)に邁進したあと、
午後からはブロガー仲間の岡田まりゑさんの個展最終日に出かけました。
版画作家なのでお名前は以前から存じており、
また同じEXブロガーと言うこともあってメールなどではやり取りはありましたが
お会いしたのは初めてでした。
すてきな女性の銅版画作家です。
趣のある古いビルに何件もの画廊が入っており、
手動で動くエレベーターに乗り込んで楽しんできました。
作家にしか興味はないだろうと思われる話をしたり、良い出会いでした。
そのあとも少し画廊を見て回りました。
中でも養清堂画廊での筆塚稔尚さんの新作展、その硬派な仕事ぶりにとても好感が持てました。
さて、最後は多摩美術大学版画専攻のOB会です。
若い作家からベテラン作家まで合計120名ほど集まった盛大なパーティーでした。
30年前にお世話になった先生方もみなお元気でした。
来年40周年を迎えるとかで日頃ご無沙汰している方々とご挨拶。
懐かしくも、ちょっぴり疲れを覚えた一日でした。


岡田まりゑさんのブログ
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by fujita-art | 2009-10-18 16:05 | Comments(2)
2009年 10月 01日

銅版画普及運動


それはポスターかね
あっ、これは版画なんです
ハンガって子供の時に学校でやった木を彫って墨を塗ったやつ?
あっ、木版画ではなく銅版画です
へぇ〜、じゃぁこれはおたくが最初にやったんですか
いやぁ、銅版画の歴史はずーと古くて、、、


工房で新作の刷りをちょうど終え
作品をパネルに水張りをしていると
通りすがりのおじいさんが入ってきた。
一杯入っていて、ご機嫌な様子。
わたし思いました。
美術に触れる機会の無い人たちにとっては
版画よりポスターという言葉の方が知名度があり、
版画と聞けば小学校で経験した板目木版しか無く、
銅版画などという言葉は未知との遭遇な訳で
だから、フォトポリマーなんてことを言おうものなら
もうそれはきっと私に原子物理学の講義をするようなもので
つまりその、全く関心もないし、興味も持てない次元のことなのだろうな
なんて思った次第です。
まだまだ銅版画普及の道のりは険しいのです。

昨日、今日と横須賀美術館の石渡さんが工房を訪ねて来られ、
そんな体験談を披露した訳です。


版画工房
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by fujita-art | 2009-10-01 21:45 | Comments(0)
2009年 08月 31日

プレートマーク

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銅版画の周りに少し凹んだ所が見えるのをプレートマークと呼んでいます。
あれは銅版をプレス機に通す時、紙やフェルトを破いてしまわないように
あらかじめ版の周りをヤスリで斜めに落としておいた跡なんです。
自分の身を削って、他者が傷つくのを守るなんて男気を感じちゃいます。
でもそんな犠牲的行為も黙っていれば美しいのに、
しっかりと「これは僕の印さ」と見せびらかすのはね。
人間だったら嫌われちゃいますヨ。
少しでも嫌われないようにとお父さんは銅版の周りを出来るだけきれいにしてあげます。
このきれいになった所をビゾーって呼んでいます。
日本では工芸品みたいにきれいにする人がけっこう多いのですが、
欧米人はあんまり気にしないみたいです。
ちょっとぐらい絵の周りが汚れていようが
紙が少し波打っていようが気にしないようです。
それに比べ、日本人のわたくしは武士道に則って
きれいにするわけです。(笑)
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by fujita-art | 2009-08-31 19:21 | Comments(0)
2009年 08月 22日

シルクではありません。

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今でこそカタログ等のデータ欄には銅版またはフォトエッチングと表記されますが
10年ほど前までは、僕の版画はシルクスクリーンと間違って表記されることがよくありました。
これは、写真を使った版画はシルクスクリーンだと思い込んでいる
キュレーターやエディターが多かったからだと思います。
作家は当然の権利として、その訂正を求めるのでしょうが
僕はめんどくさいので放っておきました。
シルクだろうと銅版だろうと技法で作品価値が変わる訳ではないと思っていたからです。

作品を見ると、どうやって作ったかを知りたがる人がけっこういますが、
目の前にあるものが良いか悪いか、
好きか嫌いかだけで見てもらえればいいかなと思っています。
まぁ、そうは言ってもおいしい食事を頂いた時、
レシピを知りたがるのも分からないではありませんけれど。

■写真は工房の新しい壁面です。
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by fujita-art | 2009-08-22 17:39 | Comments(2)
2009年 07月 28日

セコムしてますか?


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今日、工房で仕事をしていると
セコムの営業マンが営業にやって来て、
セコムしなさいと勧める。
どう見ても、セコムするような場所には見えないはずだけれど、、。
もし、泥棒が入って売れない版画が盗まれたりなんかしたら、
そして、そのことがニュースになったりしたら
きっと少しは名前が知れるかもしれないなと思い、
セコムの営業マンさんにはお引き取り願いました。

えっ?泥棒は価値のあるものしか盗まない?
ってことは、作品ではなく、
大量にある原版の銅だけをきっと持っていく?。

そう言えば、盗まれたヘンリー・ムーアの彫刻が
鉄くずとして売られてたとかいうニュースを最近聞いたな(悲)。

セコム してますか?
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by fujita-art | 2009-07-28 19:13 | Comments(2)
2009年 07月 26日

色仕掛けはいたしません。


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黒一色の版画作品を見た人によく聞かれることの一つに
「色はつけないんですか」というのがあります。
そんな時、「僕には色が見えますが」なんて
カッコつけていい訳をするのですが、
正直に告白すると、色版はメンドクサイのです(笑)。
色の数だけ版を作らなくてはいけないし、
色合わせだって厄介だし。
とにかくめんどくさい。
だから「墨に五彩あり」なんていう中国の言葉まで持ち出して
ゴマカしているのです(笑)。

それでもね、ずっと作っていると
黒は黒でかなり奥が深くて
結構ストイックになっている自分がいたりするのです。
まぁ、でも
色はメンドクサイっていうのが本音かナ。


ホームページはこちらから
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by fujita-art | 2009-07-26 18:46 | Comments(2)
2009年 07月 17日

たとえ、ディテールが消えても


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ディテールまでは再現してくれないような
安価な用紙で試し刷りをしてみる。
もし、その作品が、ある一定の基準に達している作品、
つまり、作者の願いを超えたところに到達しかかっているならば
ディテールを無視しても、作品は語りかけるものとなる。
そのような作品は、完璧な準備のもとに本刷りされたとき、
動かしがたい感動を生む作品となる。

そんな版画による作品を作りたいと思う。
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by fujita-art | 2009-07-17 20:39 | Comments(2)
2009年 05月 09日

版画制作は体育会系

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大学で油彩画の講評会のような時
教授からは決まって「感性が良い」だとか「コンセプトが見えない」とか
言うなれば、精神論的なことばかり言われていたような思い出があります。
ですから知りたかった絵の具の成分だとか古典技法だとかは
独学で勉強するしかありませんでした。
途中、版画を選択しだすと、絵画とは違い
道具や材料の作り方からはじまり、
技術的なことを中心に指導がはじまりました。
技術をマスターしながら、独自の版画論を構築していく訳です。
もしかしたら版画制作は体育会系かも知れません。

今日、ひと月ぶりの版画工房の銅版画クラスがありました。
無料体験コースにお二人参加。
教えることにより、自分の中でも基本のおさらいが出来ます。
技術は教えますが、何をどのように表現するかは本人次第です。
版画制作を通して新しい発見があればうれしく思います。
参加された方は、水彩画を専門に描かれる方と
ヨーロッパの古版画をコレクションされている方でした。
お二人とも、とても喜んでいた様子(たぶん)にひと安心。
今日も銅版画普及活動に邁進した一日でした。


            ■写真は油彩画「領域20」2000年


版画工房
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by fujita-art | 2009-05-09 21:59 | Comments(0)