<   2007年 08月 ( 28 )   > この月の画像一覧


2007年 08月 31日

銅版画の基礎講座 12

雁皮紙
銅版画の刷りの一つに雁皮刷りがある。雁皮紙は表面がとても緻密で独特の光沢が美しい。銅版画は基本的にはどんな紙にも刷れるのだけれど、雁皮紙にかなうものはない。ただ、とても薄いので刷りのときもう一枚の厚手の紙に貼付けなければならない。具体的にはインク詰めした版を水の中に沈め、雁皮紙を水に浮かしながら版と一緒にすくいとる。水気を取って糊を引き、厚手の紙をのせプレスにかける。僅かなシミのような表情も美しく刷り上げてくれる。銅版画には欠かせません。ちなみに僕は高知の薄様雁皮紙を使用しています。
詳しくは下のアドレスのTechniqueのぺーじを参照して下さい。


http://www.asahi-net.or.jp/~wi9o-fjtd0114140_2017405.jpg
[PR]

by fujita-art | 2007-08-31 20:17 | Comments(0)
2007年 08月 30日

銅版画の基礎講座 11

その他の技法
版に直接硝酸で絵を描いてやればスピットバイト。グランド液に石鹸を混ぜて描けばグニョグニョな表現のソープグランドエッチング。版の上で硫黄を燃やしケロイド状の表情を作り出すサルファチント。乾いたグランドに紙ヤスリをプレスして、一気に点々をつけるサンドペーパープレスエッチング。まだまだあげればきりがありません。要は銅版の表面に傷を付け凹版にしてあげればよろしい訳で。工夫次第です。
くれぐれも策士策に溺れませぬよう。


http://www.asahi-net.or.jp/~wi9o-fjtd0114140_15565611.jpg
[PR]

by fujita-art | 2007-08-30 15:57 | Comments(4)
2007年 08月 28日

銅版画の基礎講座 10

マジックインキ
 マジックインキ(油性マーカー)の詰め替え用インキを版面に塗り、完全に乾かしてからリグロインかホワイトガソリンをちょこっとたらしてみると干ばつの後の地面のようなひび割れができます。マジックインキが濡れている間にフィルム状のものでぐにょぐにょ押さえて離せばエルンストのデカルコマニーのような表情を作ります。それらを腐蝕してあげるとマジックインキがグランドの役目をしながらおもしろい表情を出すごとができます。
 まぁあまり技法ばかりに頼っても逆効果となりますけれど。


http://www.asahi-net.or.jp/~wi9o-fjtd0114140_20454454.jpg
[PR]

by fujita-art | 2007-08-28 20:47 | Comments(0)
2007年 08月 27日

銅版画の基礎講座 9

カーボランダム
 アクリルメディウムに炭化珪素を混ぜて版面に自由に塗る。メディウムが固まることによって炭化珪素(カーボランダム)が定着する。炭化珪素は砂状になっているので固まった表面はちょうどアクアチントの凸版状態のようになります。凸版のようですが炭化珪素の粒子の間にインクが引っかかるようになるので凹版ともいえます。他の技法とも自由に組み合わせることもできるし、カーボランダム単独で作品化してもよし。ちなみに僕は炭化珪素の500番にコピートナーを加えたものを使用しています。


http://www.asahi-net.or.jp/~wi9o-fjtd0114140_221184.jpg
[PR]

by fujita-art | 2007-08-27 22:03 | Comments(3)
2007年 08月 26日

銅版画の基礎講座 8

フォトエッチング
耐酸性の感光液を塗った上にリスフィルムをのせ密着露光する。写真イメージの場合はアミ処理をしたものを使用。アミ処理には専用の製版カメラが必要になります。感光液はポジ、ネガ用と様々あるのでどれが良いかは一概に言えません。僕はポジ用のTPRというのを使っているけれど身体にものすごく悪そうな代物ですのであまりお勧めできません。どうしてもというお方は下記のアドレスのTechniqueのページをご参照ください。でも、肌が弱い人や気管支がデリケートな方は避けた方が無難です。もっともエッチングはどれひとつとってもあんまり身体に良くはなさそうですけど。


http://www.asahi-net.or.jp/~wi9o-fjtd0114140_16512716.jpg
[PR]

by fujita-art | 2007-08-26 16:52 | Comments(0)
2007年 08月 25日

銅版画の基礎講座 7

リフトグランドエッチング
アラビアゴムに砂糖を溶かした溶液で版面に筆で描画する。乾燥させてからグランドをひく。ぬるま湯に浸けて軽く擦るとグランドの下のアラビアゴムが溶けてグランドがとれる。つまりグランドを下からリフトアップしてくる。それを腐蝕する。アクアを加えたりしながら、筆あとの凹版となるわけです。砂糖を使うのでシュガーチントとも呼んでいます。アラビアゴム液の代わりにマスケットインクなどでもうまくいきます。つまりブラッシュストロークを銅版で表現する方法です。


http://www.asahi-net.or.jp/~wi9o-fjtd0114140_21565159.jpg
[PR]

by fujita-art | 2007-08-25 21:57 | Comments(0)
2007年 08月 24日

銅版画の基礎講座 6

ソフトグランドエッチング
 腐蝕銅版画に使うグランド溶液は基本的に松脂とアスファルトと蜜蝋を混ぜて作られていますが、このとき蜜蝋を通常より多くしたり、油を少し加えてやると完全に乾かないグランドができます。乾燥させても粘度が残るので指で押さえれば指紋が採れます。葉っぱやひもをプレスしてあげればそのまま表情がでます。それを腐蝕すればいろいろ即物的な形が出てきます。ソフトグランドの上に紙をのせて鉛筆で絵を描けば柔らかな、エッチングでは出ない線も出せます。僕も一時期、シャツだとかジーンズだとかを写してはエッチングを作っていました。
 70年代のジム・ダインのエッチングによく見るとソフトグランドをかなり使用しているのが見て取れます。


http://www.asahi-net.or.jp/~wi9o-fjtd0114140_2211237.jpg
[PR]

by fujita-art | 2007-08-24 22:14 | Comments(0)
2007年 08月 23日

銅版画の基礎講座 5

アクアチント
 松やにを乳鉢で粉状にします。その粉末を銅の上に撒き、下から熱して松やにをちょっと溶かして定着させます。松やにが点々として、銅の表面に付着する訳です。それを硝酸や塩化第二鉄液に浸けて点と点の間を腐蝕させます。そして腐蝕の時間差で濃淡を作り出す訳です。点の集合は面になります。線描のエッチングに対して、面表現のアクアチントです。
 ゴヤのアクアチントのシリーズはこの技法の最も優れた技法書です。


http://www.asahi-net.or.jp/~wi9o-fjt
d0114140_23362895.jpg
[PR]

by fujita-art | 2007-08-23 23:38 | Comments(0)
2007年 08月 22日

銅版画の基礎講座 4

エッチング
銅版にグランドという黒いニスのようなものを塗り、ニードル(針)で線描します。描くことでグランドが剥がされ、銅の表面が出てきます。それを硝酸や塩化第二鉄液に浸けて腐蝕し、ミゾを彫る訳です。ビュランやドライポイントの線より様々な表情を出すことが出来ます。ただ、腐蝕している間は液まかせなので思うような線を出すには経験と勘が必要です。思わぬ発見が時々あるのも腐蝕銅版画のおもしろさです。
腐蝕していることを忘れると銅版が無くなってしまう(?)のでご注意を。


http://www.asahi-net.or.jp/~wi9o-fjtd0114140_19151285.jpg
[PR]

by fujita-art | 2007-08-22 19:23 | Comments(0)
2007年 08月 21日

銅版画の基礎講座 3

エングレーヴィング
版画を始めた頃、この技法をマスターすれば食いっぱぐれがないよ。なんて先輩に言われたものです。銅版画の王道?なんたってお札だってこの技法が使われているくらいですから。ビュランというちょっと変わった彫刻刀で銅をスイスイ彫っていきます。髪の毛より細い線だって描けます。と言ってもビュランを自由に使えるようになるにはかなりの忍耐と努力がいります。僕には絶対に向かない技法です。(食いっぱぐれています)
古い技法だからという訳ではないのでしょうが、エングレーヴィングはどうしても写実的なものに偏りがちです。16世紀に活躍したデューラーの「メランコリア」をなかなか超えられません。


http://www.asahi-net.or.jp/~wi9o-fjtd0114140_23111070.jpg
[PR]

by fujita-art | 2007-08-21 23:13 | Comments(0)